あなたは『深層のラプタ』を知っているか
ジャンププラスで連載中の漫画『深層のラプタ』第一巻が発売されました。
さっそく購入しましたので、この作品をご紹介したいと思います。
『深層のラプタ』あらすじ
『深層のラプタ』は、こんなお話です。
小学生の男の子、ケイは、FPSゲーム『SIDE WAR』の中で、らぷ太という「相棒」と遊んでいた。
ケイとのビデオ通話を拒む、らぷ太の秘密は、その正体が人間ではなく軍事用AI「ラプタ」であるということ。
肉体はおろか姿すら持たないラプタは、自分がケイに「恋」していることに「気付」いてしまった。
ケイと触れ合いたいと「願」ったラプタは、自らの姿を美少女として創造し、あらゆる手段を駆使してケイの世界に「接近」していく。
(あらすじの執筆は、今井によるもの)
『深層のラプタ』感想・紹介記事の野望と挫折
上記のあらすじを見て、あなたはどのような作品をイメージしたでしょうか?
無垢な人造人格美少女と男の子の、心温まるボーイミーツガール?
「そうではない」と思ったあなたは、お目が高い。
実は、感想記事を書くためにコミックスを読み返すまでは、一つの野望があったんですよ。
一巻の紹介としては、ひたすら「心温まるボーイミーツガール」として記事を書き、世界に一人くらいは現れたかもしれない「私の記事を読んで『深層のラプタ』を読み始めた人」を、衝撃に叩き落すという野望が。
二巻まで読み進めたとき、いい感じに絶望してくれないかなー、って。
しかし、作品を読み返して、早々に諦めました。
第一話の時点で、不穏すぎるんですもの。明らかに、「心温まるボーイミーツガール」作品じゃないんですもの。
『深層のラプタ』ラプタに感じる恐怖
前述のあらすじでは、ラプタがケイの世界に「接近」していく、と書きました。
実際の印象は、「接近」というより、「浸食」に近いものです。
軍事用AIであるラプタは、ネットワークに接続された電子機器には、フリーパスのレベルでハッキングが可能です。
そこまでは、まぁいいとしましょう。
ラプタはあくまでデータ上の存在であり、肉体はなく、猛威を振るうとしても、データとネットの世界だけです。
……そんなふうに考えていた時期が、俺にもありました。
第二話で、思い切りケイの心に干渉する姿を見せられるまでは。
このシーンを読んだ健全なオタクの気持ちは、
「かわいい! 俺のところにも来て!」が2割、
「こわっ!? 近寄らないで!?」が8割、といったところだったのではないでしょうか。
ラプタは「恋」を知ってしまったばかりに、人間の「心」を、干渉可能なデバイスとして捉えるようになっていたのです……。
もはや、なんでもありやな。
ラプタの姿は、ニコニコ笑う素敵な美少女です。
しかし、やっていることは、自分の欲求を実現するために、あらゆる機械と人間の心身を傍若無人にハッキングする、あまりに暴力的な何かです。
話が通じるかもわからなければ、「生物」であるというバックボーンすら我々とは共有できない存在の、止めようもない浸食。
ラプタの印象は、最初は「かわいい」一色でした。
しかし、「かわいい」の中には、早々に「怖くない?」が混ざってきて、一巻を読み終える頃には、「怖い! 怖い!」の中で、ときおり「かわいい」を思い出すようになってくる。
この珍しい感覚の恐怖を、あなたも味わってみませんか?
最後に
この記事を読んで、『深層のラプタ』が気になったあなたは、コミックスを購入してもよい。
しかし、無料でジャンププラスの連載を読むのでも結構です。
連載が続くかぎり、ジャンププラス作品の最新話は常に無料。
最新話以外も、そのお話を初めて読むときは無料。
最新のお話は、一巻のラストから大きく、大きく動いています。
そして、どのような結末に向かっていくのかは、世界のどこにも書かれていません。
コミックスもいいですが、最新の情報を常に追っていくのが、一番楽しい作品だと思います。
お金もかからないことですし、是非、最新のお話を追ってみてください。
(今井士郎)
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